長めのメモ

メモです

四元数雑記?

四元数とは (シゲンスウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
四元数を用いた三次元回転計算の幾何学的意味 - Qiita
四元数を作ろう - Qiita
EMANの物理学・物理数学・四元数(クォータニオン)の定義


基底の対称性

q=a+bi+cj+dk\ (a,b,c,d\in\mathcal{R})
i^2=j^2=k^2=-1
ij=k,jk=i,ki=j
ji=-k,kj=-i,ik=-j
j=k=0 のときには q複素数とみなせる。k=i=0 または i=j=0 のときも、それぞれ j,k虚数単位として複素数とみなせる。i,j,k は3すくみの対称性をもつ。


基底の再設定

a=0, b^2+c^2+d^2=1 のとき( i,j,k はこの条件を満たす)、

\quad q^2\\=(bi+cj+dk)^2\\=-(b^2+c^2+d^2)+bc(ij+ji)+cd(jk+kj)+db(ki+ik)\\=-1


i’=b_1i+c_1j+d_1k\ \ (b_1^2+c_1^2+d_1^2=1),\\j’=b_2i+c_2j+d_2k\ \ (b_2^2+c_2^2+d_2^2=1),\\b_1b_2+c_1c_2+d_1d_2=0\ \ (すなわち\ (b_1,c_1,d_1)\perp(b_2,c_2,d_2)\ )
とおく。

\quad i’j’\\=(b_1i+c_1j+d_1k)(b_2i+c_2j+d_2k)\\=-(b_1b_2+c_1c_2+d_1d_2)\quad(=0)\\\quad+(c_1d_2+d_1c_2)i\\\quad+(d_1b_2+b_1d_2)j\\\quad+(b_1c_2+c_1b_2)k

(c_1d_2+d_1c_2,d_1b_2+b_1d_2,b_1c_2+c_1b_2)=(b_1,c_1,d_1)\times(b_2,c_2,d_2) である。

k’=(c_1d_2+d_1c_2)i+(d_1b_2+b_1d_2)j+(b_1c_2+c_1b_2)k とおくと、
i’^2=j’^2=k’^2=-1
i’j’=k’,j’k’=i’,k’i’=j’
j’i’=-k’,k’j’=-i’,i’k’=-j’
を満たす。
このようにして、i軸、j軸、k軸の張る三次元空間で互いに直行する3つの単位ベクトルを、四元数の3つの基底として選び直すことができる(向きに注意する)。


積の幾何

i1=i,ii=-1,i(-1)=-i,i(-i)=1
これらの式は、i を掛けることが (1,i) 平面において \frac\pi2 の回転にあたることを示唆する。実際、複素数の積は絶対値の積と偏角の和にあたる。

ij=k,ik=-j,i(-j)=-k,i(-k)=j
これらの式は、i を掛けることが (j,k) 平面において \frac\pi2 の回転にあたることを示唆する。実際その通りである。
(\cos\theta+i\sin\theta)(cj+dk)=(c\cos\theta-d\sin\theta)j+(d\sin\theta+c\cos\theta)k
右から掛ければ回転方向は逆になる。

v=bi+cj+dk とおき、q=s+tv とする(vは先ほどの通り i として選び直せる)。q に対して、偏角スカラー)や指数関数は v虚数単位とみなして複素数のときと同じように定義される。
四元数 p を、(1,v) 平面に平行な成分 p_\parallel と垂直な成分 p_\perp に分解して、
p=p_\parallel+p_\perp とする。
qp=qp_\parallel+qp_\perp
つまり四元数同士の積は、掛ける数と 1 とが張る平面の平行成分と垂直成分をそれぞれその平面で回転させ、絶対値の積を取ったものとみなせる。
右から掛けるとはつまり積の順序を入れ替えることであり、垂直成分の回転方向を逆にした場合の結果と乗数・被乗数を入れ替えて考えた場合の結果が一致することになる。これはあまり直感的でない。



図は、四元数空間における pq (絶対値 1)の計算の様子を実軸正方向から見たものである。視線と実軸が重なっているため実軸は原点に縮退し、(1,i) 平面はi軸に縮退している。

四元数積 - GeoGebraBook